太陽光発電の基礎知識

太陽光発電の基礎知識

     

今なぜ太陽光発電か

今なぜ太陽光発電か

2015年9月に、エネルギー、経済成長と雇用、気候変動等に関する持続可能な開発目標(SDGs)を掲げる「持続可能な開発のための2030アジェンダ」が国連で採択されました。同年12月には、今世紀後半に温室効果ガスの人為的な排出量と吸収源による除去量との均衡の達成を目指す「パリ協定」が発効され、脱炭素化に貢献する再生可能エネルギーの重要性が世界的に高まっています。

我が国においても、菅首相が2020年10月の就任後初の所信表明演説の中で「2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を目指す」ことを表明し、国や企業が一斉にカーボンニュートラル実現へ動き出しました。さらに12月には政府が2050年時点での発電量に占める再生可能エネルギーの比率を今の3倍の「50%~60%」に引き上げる目安を示し、化石燃料から再生可能エネルギーへとエネルギー政策が大きく転換されることとなりました。

特に太陽光発電は、我が国の2019年度の発電量に占める再生可能エネルギー比率18%において、再生可能エネルギーのなかの37%を占める主要なエネルギー源となっており、再生可能エネルギーの大量導入を進めるためには、家庭から発電所と幅広い用途で活躍できる分散型電源として、太陽光発電の普及をさらに推し進める必要があります。

太陽光発電の特長

特長1

クリーンで枯渇しない

太陽光発電の最大の特長は、エネルギー源が無尽蔵で、クリーンである点です。石油を燃焼させて電気を起こす火力発電のように、発電時にCO₂(二酸化炭素)や、SOX(硫黄酸化物)、NOX(窒素酸化物)などの大気汚染物質を発生させることがありません。 1kWシステムの年間発電量を1,000kWhとした場合、結晶系シリコン太陽電池によるCO₂削減効果は、年間で399.5kg/kWh。石油の削減量 は、年間で227リットルになります (出典:太陽光発電協会「表示ガイドライン(2021年度)」)。

クリーンで枯渇しない
特長2

設置場所を選ばない

太陽光発電システムは、導入するシステムの規模に関係なく発電効率がほぼ一定です。設置する場所の広さに合わせて自由に規模を決められるため、一般家庭から大規模施設まで、それぞれの施設に合ったシステムを設置できます。発電時に騒音を出さないので、日射量さえ確保できれば、設置場所を選びません。屋根や屋上などへの設置のほか、近年ではビルの壁に設置するケースもあります。

設置場所を選ばない
特長3

非常用電源として利用できる

太陽光発電システムは停電などで電力会社からの電気供給が止まってしまった場合でも「自立運転機能」に切り替えることにより、太陽光発電システムで作った電気を使用できます。

自立運転機能についてはこちら

自立運転機能について

非常用電源として利用できる
特長4

企業の社会的貢献の
アピール効果も

近年では、企業がSDGsに取り組むことや、カーボンニュートラルへの貢献が、社会的責任(CSR)となりつつあります。太陽光発電システムの導入は、”目に見える”環境対策であり、企業広報に活用して、企業のブランドイメージ向上につなげているケースもあります。また社内的にも、従業員の環境意識や節電への関心を高める、災害時に電力を確保できるなどのメリットもあります。

企業の社会的貢献のアピール効果も

太陽光発電システムの仕組み

住宅用太陽光発電システムの仕組みはコチラ

住宅用太陽光発電システムの構成例

産業用太陽光発電システムの仕組みはコチラ

産業用太陽光発電システムの構成例

太陽光発電システムの仕組み

太陽電池とは

太陽電池の発電原理

太陽光発電システムの中心になっているのが、太陽電池です。太陽電池は、太陽の光エネルギーを吸収して直接電気に変えるエネルギー変換素子です。シリコンや化合物などの半導体で作られており、この半導体に光が当たると、日射強度に比例して発電します。「電池」という名前がついていますが、電気をためる機能はありません。太陽光発電は英語ではPhotovoltaic(PV)power generationと呼ばれています。

太陽電池の発電原理

現在最も多く使われている太陽電池は、シリコン系太陽電池です。この太陽電池では、電気的な性質の異なる2種類(p型、n型)の半導体を重ね合わせた構造をしています。
太陽電池に太陽の光が当たると、電子(-)と正孔(+)が発生し、正孔はp型半導体側(裏側)へ、電子はn型半導体側(表面)へ引き寄せられます。このため、表面と裏面につけた電極に電球やモータのような負荷をつなぐと電流が流れ出します。