代表理事のご挨拶

代表理事 沖津 雅浩
国連の世界気象機関(WMO)は 2024 年の世界平均気温が、産業革命前の水準と比べて 1.55 度を上回ったと発表しました。これは、2024 年が観測史上最も暑い年であり、国連気候変動枠組条約締結国会議(COP21)で採択されたパリ協定の長期目標として言及された、気温上昇「1.5 度未満」の水準を単年で初めて超えたことになります。
一方、世界各地で長引く紛争や、保護主義的政策が経済に影を落としています。こうした我々を取り巻く外部環境の不確実性により、サプライチェーンの再構築の必要性など、経済安全保障への対策の重要性が増しております。
このような世界情勢においても気候変動による影響は最も深刻なリスクのひとつであり、地球規模の温暖化対策の歩みを止めることはできません。
日本政府は、2050 年カーボンニュートラル実現に向けて、2025 年 2 月に「GX2040 ビジョン」「地球温暖化対策計画」「第 7 次エネルギー基本計画」を閣議決定しました。
これらには、2050 年に向けたマイルストーンが示されており、「脱炭素化」を「エネルギー安定供給」と「経済成長」とともに実現するため、2040 年に温室効果ガスを 2013 年度比 73%削減すること、そのために太陽光発電を 23%~29% の電源構成とすることが目標として掲げられました。
こうした政策のもと、再エネ主力電源化に向けて太陽光発電の果たすべき責任と、導入拡大への期待がさらに大きくなっております。
弊協会は、1987 年に太陽光発電懇話会として設立され、2009 年に「一般社団法人太陽光発電協会」への改称を経て 40 年近くにわたり太陽光発電の利用技術の確立と普及促進を目的に活動して参りました。
今後より一層の太陽光発電の導入拡大が必要となる一方で、FIT 賦課金による国民負担の増加、更なる発電コスト低減、地域との共生・共創に基づく太陽光の健全な普及、分散型電源として系統制約の克服・調整力確保といった主力電源化としての責務や、パネルリサイクルなど、カーボンニュートラル実現に向けて越えていかなければならない課題が山積していることも事実です。
このような背景を踏まえ、弊協会は、再エネ型経済社会への移行を目指したエネルギー政策(S+3E)の観点に基づき、太陽光発電が抱える諸問題に業界団体として真正面から取り組むと共に、地域経済・社会に貢献し、我が国のGX戦略に対し最大限貢献して参ります。
皆様方のより一層のご支援とご協力を心よりお願い申し上げます。
一般社団法人 太陽光発電協会
代表理事 沖津 雅浩